上那谷の農家伝来の米、白毛もち米
上伊那にのみ伝わっていた白毛もち米は、一部の農家にのみ先祖代々受け継がれ、ひっそりと栽培されてきた、原種に近い古代米です。美味しさは抜群ながら、稲丈が高くて倒れやすく、収穫量も少ない「農家泣かせの米」であったことから、流通させるまでが難しく、自家用として長く食べられていました。
また、名前の由来でもある、穂先から伸びる長い白毛は、実はかなりの厄介者。収穫時には長い白毛が機械に絡まったり、手刈りする人間の皮膚をチクチクと刺し、全身が痛くなるほど。最後まで苦労の絶えないお米だったのです。