長野県 阿智村より、過酷な冬の暮らしを支えた保存食「凍み大根」
昔の阿智村浪合地区(旧:浪合村)は、交通の便が悪く、特に冬場は雪深く、村外との交流が極めて少なくなったそうです。そんな過酷な環境の中で、生活の知恵として生まれたのがこの「凍み大根」。茹でた大根を軒下に吊るし、夜の凍結と昼の解凍が繰り返される激しい気温差の中にさらして作られるものです。冬の保存食として広まっていき、軒下に吊るされた凍み大根は阿智村の冬の風物詩でした。
煮汁をよく吸い込み、シコシコとした歯ごたえが美味しい凍み大根の味は大変滋味深く、ふるさとを思い出させる味です。
地中に埋めておく理由ですが、普通に常温のまま1月頃まで放っておくと、凍結してしまうのを防ぐとともに、野菜を長持ちさせる意図もあるそうです。 また、11月に採りたての大根を干してしまうと、まだ気温が高いためカビてしまうそうです。
大根を丁寧に洗って泥を落とし、皮を剥き、大きさを揃えて輪切りにします。
シンプルな製造方法なので、下処理が品質に差を付けるといっても過言ではありません。丁寧に行っていきます。
塩などの添加物は一切使わず、水だけでさっと茹でます。
茹でる時間ですが、ほんのり透明感が出るくらいなので約5分ほどです。
大根の中央部分に穴を開けて藁でくくり、軒下に吊るします。
その後、氷点下まで下がる夜間に凍結と、日光で解凍される昼間を繰り返し、水分が抜け旨味が凝縮された、美味しい凍み大根がで出来上がるのです。
阿智村の凍み大根づくりを支えるお二方
凍み大根の仕込み現場に同行させて頂いたのは「浪合の凍み大根名人」山口幸男さんと「阿智村地域おこし協力隊 浪合地区担当」田村沙織さんのお二方です。 山口さんは90歳を超えるご長寿。まさに凍み大根のエキスパート。テキパキとした手つきで凍み大根を仕込んでいきます。
凍み大根は、乾燥した形状から切り干し大根などと同一されがちですが、製造方法が全く異なります。
冬の阿智村浪合地区の夜の気温は、-10℃~-15℃となり、外に干してある大根が凍りつきます。日中の気温は、0℃位になり、干してある大根の水分が自然に蒸発していき、大根の甘みだけが残っていきます。天然によるフリーズドライ製法です。
このように、夜の凍結と昼の解凍を繰り返し、約二ヶ月ほどで完成します。急激な気温差の中でしか作ることのできない凍み大根は、まさに日本伝統のスローフードなのです。
凍み大根は生の大根とくらべ、最大22倍の栄養素!
カリウムは15倍、鉄分は16倍、マグネシウムはなんと22倍!他にも食物繊維が16倍以上、また、ビタミンCも多く含まれています。
凍み大根には、このように栄養素が生の大根の数十倍も含まれているのです!
商品詳細
原材料 | 大根(国産) |
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内容量 | 約100g(1縛50g×2) |
賞味期限 | 製造日より180日 | 備考 | 天候不順による生育不良のため、今シーズンの販売は終了いたしました。 |